歯が溶ける!?逆流性胃腸炎の思わぬ作用

逆流性胃腸炎という病気をご存知でしょうか。
逆流性胃腸炎は、様々な原因で胃から胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜等に炎症が起きてしまう症状のことです。
誰しも、胃から食べ物が食道や口まで戻ってきてしまい「熱い」と感じたり不快なにおいがしたりした経験があることと思います。
これがまさに胃酸の逆流によって引き起こされる症状であり、この逆流が頻繁に起こってしまうのが逆流性胃腸炎なのです。
それでは、実際に慢性的な逆流性胃腸炎になってしまうと、人体にどのような影響が出るのでしょうか。

ご存知の通り、胃は食べ物を消化する器官であり、胃で分泌されている胃酸は塩酸に匹敵する強度の酸です。
人体も主にタンパク質からなる「肉」なので、当然胃酸によって溶かされてしまいますが、胃自体は胃粘液と呼ばれる粘液でコーティングされているため常に胃酸に晒されていても溶けることはありません。
しかしながら、本来食べ物は食道から胃へと一方通行で通るため、食道や口内はこの胃酸に対して抵抗力を持っていません。
そして恐ろしいことに、この胃酸は食道の炎症だけでなく歯が溶ける原因にもなり、歯をボロボロにしてしまう危険性があるのです。

逆流性胃腸炎の症状が起きると、頻繁に吐き気を催すようになり、食道へと逆流した胃酸が口内にも溢れ出すようになります。
この時、歯はまるで塩酸に蝕まれているような状況に陥ります。
強度の酸は歯のカルシウムを溶かし、歯をボロボロにしてしまう可能性があります。
溶かされた歯は虫歯菌が繁殖しやすくなり、虫歯の進行を促してしまいます。
そして、虫歯菌を取り除こうと歯磨きをするとさらに歯にダメージを与えてしまうという悪循環にも陥りがちなのです。
最悪の場合、歯の神経が露出してしまい、神経を取り除かなければならない自体も想定されるのです。

そんな恐ろしい逆流性胃腸炎にならないためには、どんなことに気をつければ良いでしょうか。
逆流性胃腸炎になる原因は1つではなく、ストレスや食生活の乱れ、生活習慣の悪化といったものから、妊娠や肥満による腹部圧迫、激しい運動なども原因になり得ます。
そのため、その予防や治療はそれぞれの原因ごとにアプローチが異なってくるのです。
生活習慣を正すことで予防するのが最も望ましいですが、どうしても症状が出てしまう場合は医師に相談し、薬などで治療する必要があります。
大切な歯を守るためにも、予防を心がけたいですね。